#まちのひとでは、街を眺める方、街にかかわる方を紹介しています!
街を見続ける笹井氏が綴るメルマガの一部ご紹介致します。
2022年10月18日のメルマガより一部を抜粋
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1.商う言葉
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日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今日は、何のために商うのか、その根本について考えてみましょう。
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何のために商うのかを
はっきりとつかめたなら
誰も本当の商人になれ
その道は穏やかで静かだ
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1.他店で売れているから
2.仕入先から奨められたから
3.売れそうだから
あなたの商品・サービスの品揃えと開発の基準はどれでしょうか。
確かにこうした三つの理由で品揃えすれば、目先の売上げは立つかもしれません。企業という生き物の血というべき資金繰りが途絶えれば、そこには死が待っています。だから、生きるためにすべてを否定するつもりはりません。
しかし、いつまでそれを続ければよいのでしょうか。売れ筋探しに右往左往し、それが仕入れられないと思い悩めばいいのでしょうか。いくらで売ればいいのかと他店の値札をいつまで気にすればいいのでしょうか。
「客の好むものを売るな 客のためになるものを売れ」とは、近江商人の商売十訓のひとつとして有名な言葉です。
このとき、そこには哲学があります。何のために、誰のために、商売をしているかという生き方がいるのです。商業界創立者、倉本長治はこう問いました。
食うために商売をするなかれ
食うのが目的で生きるなかれ
生きるために食い、商売するために儲けよ
だが、忘れるな
何のために生きるのか、何のための商売か
それを自問自答しましょう。私もそうします。
※2022/10/18メルマガより一部を抜粋
2022年10月11日のメルマガより一部を抜粋
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1.商う言葉
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日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今日は「流通業」と「小売業」という言葉の違いについて考えてみましょう。
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流して通す流通業か
小さく売る小売業か
お客様の視点に立てば
やるべきは後者である
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小売業と流通業、似たような言葉ですが、意味するところは異なります。その二つをあいまいに使うと、私たちは進むべき道を誤るでしょう。メーカーから送られてくる物財を効率的に“流して通す”ことに熱中していませんか。一人ひとりのお客様を思いながら“小さく売る”ことを忘れてしまってはいませんか。
商人の仕事は、お客様の期待する豊かな生活づくりの“お手伝い業。お客様と商品の出会いを演出し、買ってよかったと思ってもらう“おせっかい業”です。お客様の欲しいものをただ販売するだけでは“流通業”にすぎません。いかがでしょうか、あなたの商いはどちらですか。
コンシューマーとカスタマー、これもまた似たような言葉です。カスタマーとは、顔と名前が一致する顧客、お得意先のことです。コンシューマーとは誰かは知らない、商品の最終使用者のことを言います。カスタマーは購入者ですが、カスタマーはそうとは限りません。
これら二つの違いに敏感になりましょう。流通業と称したほうが立派だと思っている人がいますが、違います。どれほど大げさに流通させても、カスタマーの満足が無ければ無意味です。なぜなら、満足という感情はお客様の心の中にだけ生まれるものだからです。
※2022/10/11メルマガより一部を抜粋
2022年10月4日のメルマガより一部を抜粋
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1.商う言葉
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日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今日は「店」という言葉の語源について考えてみましょう。
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店の語源は「見世」
すなわち店とは
自分の世界観を
見せる場所のことである
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物々交換を行う「市」から興った商取引は、やがて常設の「店」になりました。そもそもは「見世棚」と書き、鎌倉末期に現れたと言います。店とは「見せる棚」を語源としているのです。
では、何を見せるのでしょうか。語源にあるように「世」を見せるのです。世とは、人間が暮らす場であり、そこに流れ積み重なる時間です。
見せる者の世界観を表現する手段であり、生き方を示す場所が店なのです。単にモノとお金を交換する場所ではありません。そこで営まれる商いとは、金儲けのみを目的とする行為ではないのです。
倉本長治は、商いと金儲けの違いをこう断じています。「商売は一品売るごとにお客様の喜びと満足が長く続く性質を持つ。金儲けには、このような心の満足を相手に与えることがない。そこに商売と金儲けの大きな開きがある」。
一人一人のお客様への誠実さは、樹が枝の一本一本に美しい花を咲かせるのと同じです。いずれは花の跡に実が熟し、その繁昌の果実の芯には必ず儲けという種子が含まれます。人のために役立ちたいという世界観が持てることほど、毎日の商売を楽しく、やりがいあるものとするものはありません。
※2022/10/4メルマガより一部を抜粋
笹井氏とは・・・
”商い”をする人々の育成を目的とした「商い未来研究所」を設立。インタビューや研修・コンサル・講演により商いにかかわる本人が認識をしていない強み課題を顕在化させ、多くの商業者を育成し排出してきた人です。
そんな笹井氏の”商いの心と技”がつまったメルマガです。
笹井清範(ささいきよのり)氏
商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事
※笹井氏のメルマガは、商い未来研究所様のページより登録いただけます。
2022年10月25日のメルマガより一部を抜粋
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1.商う言葉
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日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今日は、「売る」という営みについて考えてみましょう。
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よく売るとは
多く売ることではない
一人ひとりのお客様の
心からの満足を言う
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売るということは、お客様と心を通わせることです。人と人とのつきあいから始まります。人が持つ善なるものがすべての基本です。
大きなことも小さなことも、自分の身に置き換えて考えてみましょう。そうすると何をすればよいかが、自然に見えてくるでしょう。誰でもが共通に感じる思いの中にこそ、本当に大切なことが隠されています。
これからの商いは、お金で買えない価値を創造するという難しい仕事になるでしょう。その仕事に惜しみなく、自分の人間性を発揮して人々に役立ちましょう。そうすればその人は感謝をしながら儲けという結果を与えてくださるでしょう。
残念ながら、世の中の「善」とされることの大半は金儲けと縁が遠いのも事実です。しかし、正しい商いだけは「真」「善」「美」という人間の理想とする価値と一致します。正しさは、一人ひとりの心の中に必ず住んでします。
さあ、一人のお客様のために心からの誠実を尽くしましょう。目の前の一人のお客様のために損得よりも善悪を優先させましょう。それは必ず自他の「善」に通じ、関わる人すべての幸せにつながることでしょう。
※2022/10/25メルマガより一部を抜粋