#まちのひとでは、街を眺める方、街にかかわる方を紹介しています!
街を見続ける笹井氏が綴るメルマガの一部ご紹介致します。
2022年6月20日のメルマガより一部を抜粋
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1.商う言葉
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このコーナーでは、日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今回は、品質保証について考えてみました。。
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商品の豊富さを誇る前に
価格の安さを自慢する前に
一つひとつの商品に
あなたの実印は捺してあるか
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ピラミッド型5層で表された「マズローの欲求5段階説」は有名です。生命維持の「生理的欲求」から始まり、身の安全を守る「安全欲求」、集団に属したいという「所属と愛の欲求」、他者から認められたいという「承認の欲求」へと続き、ここまでをマズローは「欠乏欲求」と名づけました。
こうしたhaving(持つこと)への欲求の実現を、私たち商人は生業としてきました。そのため先人たちは、より多くの商品を揃え、より安い価格を追求したのです。流通革命の申し子、ダイエー創業者の中内功さんが唱えた「よい品をどんどん安く」は革命の旗印でした。
しかし、これら4つの欲求が満たされても、私たちは幸福になれませんでした。創造的活動をしたいという「自己実現の欲求」、さらに“在ること(being)”の世界に生きる「超越的な自己実現の欲求」という「存在欲求」こそ、私たちが良く生きるために用意された場所だったのです。
品揃えや安さという“havingの商い”を卒業するときです。自身の存在を掛けられるような“beingの商い”をすること、それが商品の一つひとつに実印を捺すことであり、私たち人が良く生きるための場所なのです。
※2022/6/20メルマガより一部を抜粋
2022年6月12日のメルマガより一部を抜粋
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1.商う言葉
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日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今日は、縁の大切さについて考えてみましょう。
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実の商人ならば
袖擦りあった縁をも生かす
なぜなら商いとは
人に始まり人に終わるからだ
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日本初のセルフサービス衣料品店をつくり、人材育成に尽力された西端春枝さんの著書『縁により縁に生きる』は折々に読み返す大切な一冊。縁を大切にし、縁から学び、縁を広げ、縁を活かした半生が感動的に描かれています。春枝さんは、縁を大切に生きた商人でした。
「だからな、あんた、あんたも縁を生かさなあかんで」と春枝さんは、私にそう教えてくれました。「煩悩具足の教えのとおり、人間は生きている限り煩悩から逃れられん。どんな人も一緒や。それを自覚した上で、縁を生かして誠実に生きなさい」。 他界された今日も、まぶたを閉じると穏やかなお顔と声が浮かんできます。
振り返ると、いろいろな縁と共に生きていることを私たちは知ります。今もつながる縁もあれば、残念な結果で切れた縁もあるでしょう。しかし、「縁は切れることはない」と春枝さんは教えてくれました。切れているようで、すべてがその人の生き方につながっているのです。
商いも人生も縁が大切です。縁を結び、縁を尊び、縁に従うとき、縁は糧になります。ただし、求める心がなければ、縁を生かすことはできません。縁に依りて縁に生きる――春枝さん、ありがとうございます。
※2022/6/12メルマガより一部を抜粋
2022年6月5日のメルマガより一部を抜粋
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1.商う言葉
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日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今日は、良い従業員はどうしたら育てられるかについて考えてみましょう。
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良い店員は
良い店主の元に生まれ
良い店主は
正しい志の元に生まれる
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「道の精なると精ならざると、業の成ると成らざるとは、志の立つと立たざるとに在るのみ。故に士たる者は其の志を立てざるべからず」は、幕末の思想家、教育家、そして革命家であった吉田松蔭が17歳のとき、旅立つ友に贈った言葉として知られています。志の重要性は松蔭が29歳でこの世を去るまで、さらに後進に説き続けたものでした。
あなたの商売にとっても欠かすことのできない支柱です。志なくして本当の商いは成り立ちません。長きにわたって継続することも、お客様に愛され続けることもありません。自身を含め共に働く仲間の成長もありません。
では、志とは何でしょうか? それは、時間という限られた命をかけて「何のために商売をするのか?」という問いの中にあります。商売の目的は人の幸せをつくることにあります。その一点のためにのみ商人は儲ける義務を負うのです。
繁盛や利益は目的ではありません。目的はあくまでお客様の幸せにあります。その目的が叶った姿を繁盛と呼ぶだけであり、その結果として利益が得られるのです。
商人の幸福とは、買う人の幸福をつくることにあります。だから繁盛という大樹は、売る者と買う人という幸福の双葉から育ちます。小さな双葉が枯れないように、志という栄養を欠かさずに与えてやりましょう。
※2022/6/5メルマガより一部を抜粋
笹井氏とは・・・
”商い”をする人々の育成を目的とした「商い未来研究所」を設立。インタビューや研修・コンサル・講演により商いにかかわる本人が認識をしていない強み課題を顕在化させ、多くの商業者を育成し排出してきた人です。
そんな笹井氏の”商いの心と技”がつまったメルマガです。
笹井清範(ささいきよのり)氏
商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事
※笹井氏のメルマガは、商い未来研究所様のページより登録いただけます。
2022年6月28日のメルマガより一部を抜粋
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1.商う言葉
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このコーナーでは、日々の商いに役立つ「言葉」を紹介し、その意味をコラムとしてお伝えします。今回は、繁盛の元はどこにあるかについてです。
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繁盛という青い鳥は
競合店や業界常識でなく
お客様一人ひとりの
心の中にこそ棲んでいる
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ベルギーの詩人であり劇作家でもあるメーテルリンクが書いた童話「青い鳥」。貧しい木こりの家庭の兄と妹が二人で、幸せの青い鳥を求めて思い出の国や未来の国など様々な場所を探しまわる物語です。それぞれの場所で青い鳥を見つけるものの、途中で黒い鳥に変わったり、死んでしまったりして持ち帰れません。結局のところ探していた鳥は、最も手近な自宅の鳥籠の中にいたのでした。
これと同じ過ちを、あなたは犯しています。売れ筋商品はないかと他店の品揃えに気をとられたり、同業者の儲け話をうらやましがったり、業界常識という狭い村社会に安住していたり……。それらによって、末永く繁盛してきたという店を私は知りません。どれも他所の話であり、過去の出来事です。
商人にとって最も身近で大切な青い鳥は、あなたの店を訪れてくれるお客様の心の中にこそ棲んでいます。だから、お客様の行動からひとときも目を離さないでください。その小さな声に聞き耳を立てて、お客様の心の中を探してください。たとえ目には代わり映えなく映り、耳に痛く響いたとしても、繁盛の青い鳥は必ずそこにいるのです。
※2022/6/28メルマガより一部を抜粋